いよいよ明日、新時代のマシンで2022年のF1が開幕する。先週まで行われたテストでは「レッドブルが最速」、「メルセデスが苦戦している」「フェラーリ、マクラーレンが好調」と言われ、例年以上に勢力図が読めない様相になっている。
今回はテレメトリデータから注目されるレッドブルとフェラーリについて明日からの2022シーズンを占ってみよう。
下のグラフはマックス・フェルスタッペンとシャルル・ルクレールがバーレーンテストの3日目の最速ラップのテレメトリを比較したものだ。ピンクがフェルスタッペン、緑がルクレールを示している。上から車速、スロットル開度、ブレーキ、ギアを表している。

タイムではフェルスタッペンがルクレールに対して0.7秒ほど上回るタイムだったが全体的に見ると、低速コーナーへの進入時のブレーキングでフェルスタッペンの方がが先に踏んでいる傾向が多く見られる。その代わりにストレートでのスピードを見るとルクレールよりも10km/h近く上回っている。つまり最速ラップはストレートでタイムを稼いでいたことが伺える。
より詳細に低速コーナーの侵入から脱出を見てみよう。下に示したのはターン1から3(上)とターン10(下)だ。


いずれのコーナーもフェルスタッペンがルクレールをこの区間の平均時速で上回る結果となった。
特徴としては先程述べたようにルクレールのブレーキングのポイントが奥まで行っているということだ。またこのグラフを見るとブレーキングの時間も短く、短時間で減速できていることからブレーキング時のバランスはフェラーリが上回っているように見える。
フルスロットルになるまでの時間はターン1ではルクレールが速かったが、ターン10ではフェルスタッペンの方が速く、立ち上がりでの安定性はほぼ互角であるように見える。
二人の差は0.7秒だが、コーナーごとに見ると僅かな差で、フェラーリがストレートで速度を上げればフェラーリがバーレーンでは上回る可能性もある。ただしストレートスピードを上げたときのフェラーリのコーナリング性能は未知数だ。土曜日の予選でいよいよ明らかになる。
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