F1 第4戦 イギリスGP ロングランペース分析 キーポイントは温度と風

 ロングランが行われたFP2では、アレクサンダー・アルボンのクラッシュによって出た赤旗によって各車の周回数に制限が出た。下の縦軸をタイム、横軸を周回にして示したグラフを見てみると、ソフトで1番ロングランをしたのはダニエル・リカルドで11周だったがラップタイムに落ちは見られず、ソフトの限界を試すには至らなかったことが窺える。しかしタイムの出方を見ればマクラーレン、ルノー、レーシングポイントが非常に近いタイムの遷移を見せており、今回はレースペースで今まで以上に接近戦が見られるかもしれない。逆にフェラーリはこの3チームから少し遅れる形になっており、レースペースに関しては苦しい状況が続いている。シャルル・ルクレールは「予選のペースを犠牲にしてでもレースペースを上げないと戦えない」と語っており、予選ペースにはある程度満足しているが、レースペースにおいて十分なパフォーマンスが出せていないことを明らかにしている。

 ミディアムでは、バルテリ・ボッタスやマックス・フェルスタッペンがロングランを担当したが、どちらも1周あたりコンマ1秒から2秒ほどの低下は見られている。ミディアムもソフトと同様に右フロントにはブリスター、左フロントにはグレイニングを抱えたドライバーも見られており、高温のコンディションに苦労した様子だった。ボッタスはセッション後、「オーバーヒートは起きていたが、他のドライバーにも共通していたことで、それほど心配はない」と語っており、大きな心配は抱えていないことを訴えていた。

 ハードに関しても周回数が少ないので、タイムの落ち具合などを測ることはできないが、ここでもルノーが好調の傾向を見せている。さらに面白いのは、周回数こそ少なかったものの、今回緊急登板となったニコ・ヒュルケンベルグが、予選ペースではランス・ストロールに対してコンマ6秒差を付けられていたものの、レースペースにおいては同様の傾向を見せているので、楽しみな要素が一つ増えたと言ってもいいだろう。ヒュルケンベルグ自身は昨日の走行を終えて「クルマには大きなポテンシャルがあって、それを引き出せる可能性もある」と前向きなコメントを残している。

 今日のレースではFP2よりも低い温度で行われることが予想されるが、この温度変化にどれだけ順応できるかが1つ目のカギになりそうだ。そしてもう一つレースのカギを握りそうなのが風だ。これまでの2日間において、いずれも各車が姿勢を乱すシーンが映し出されており、無線の中でも風向きを気にする無線が多く飛び交った。この2つを制するものがイギリスGPで有利な展開を進めることになりそうだ。

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