F1ニュース日記 -ハースが見つけたレギュレーションの抜け穴

 ハースのギュンター・シュタイナーは、前回のハンガリーGPで受けたフォーメーションラップ中の無線によるペナルティについて、見解をF1.comの中で述べていた。ハンガリーGPのレポートでも述べたように、10秒加算があってもグリッドから順位を伸ばし、ケビン・マグヌッセンが10位に入り、今シーズン初のポイントをチームにもたらしたことについて、シュタイナーはどのように思ったのだろうか。

Haas unrepentant over Hungary penalties – ‘We would do the same thing again’ says Guenther Steiner | Formula 1®
Romain Grosjean and Kevin Magnussen were both demoted one place each after the Hungarian Grand Prix, but team boss Steiner says he wouldn't hesitate to do the s...

 間違いなく我々はペナルティがあっても同じことをやるだろう。残念ながらこれはタイム加算なので、我々が抗議することもできないけど、10秒加算は不明瞭なペナルティだ。今回のことからレギュレーションをはっきりさせる必要があると思う。でも今回我々がやったことはレースを面白くさせた要素だったと思うよ。これに関しては止めさせる必要はないと思っているよ。

https://www.formula1.com/en/latest/article.haas-unrepentant-over-hungary-penalties-we-would-do-the-same-thing-again.5CFKuzHlKihL4mzI23241m.html

 シュタイナーの言うように、ドライバーエイドについては、競技規則の27.1に規定されているが、“フォーメーションラップ中の無線”という表現はどこにも現れない。今回の裁定についても技術指令書に記載されている内容に違反したとしてペナルティが課されているが、裁量の基準に関しては明らかになっていない。技術指令書については、公に目にすることができない文書であるため実際どのようなことが書いてあるかは知ることができないが、シュタイナーからの言葉を見る限りは、ペナルティについて明確に示された記載がないのだろう。

 先日お伝えしたように、マグヌッセンはフォーメーションラップ中にピットに入ったことで、本来は間違ったタイヤであったウェットタイヤで大損するところだったが、逆にスリックタイヤに真っ先に変えたことで、一気に3位にまで順位を上げ、渋滞も避けることができ、最初に得たトラックポジションでポイントを掴み取った。この大きなアドバンテージを得られたことを考えれば、シュタイナーの主張は真っ当だろう。また同じシチュエーションになった時には、他のチームも同じような手法を取ることも考えられ、今回の出来事で一つのレギュレーション上の抜け穴が見つかったと言ってもいいだろう。これをきっかけにFIAがどのように動くか、その動向が注目される。

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