ついに7ヶ月ぶりにF1が帰ってきた。前回走行した2月のバルセロナテストからも5ヶ月が経っており、オーストリアでの各チームの状況が、金曜日のフリー走行で少しずつ明るみに出てきた。金曜日の各チームのデータとドライバーのコメントを見ながら、週末の戦いの様子を探っていこう。
FP2でトップタイムをマークしたのは、メルセデスだった。ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタスの順で1-2を獲得し、順当な調整ぶりを見せている。ロングランではソフトとミディアムをテストしたが、どのラップを見ても最速のペースを持っており、7連覇に向けて用意周到といった様子が窺える。
サプライズになったのは、レーシングポイントだ。バルセロナテストの時点でも、マクラーレンやルノーを凌いで、中団トップとなるだろうの見方がされていたが、蓋を開けてみればそれ以上のパフォーマンスをオーストリアで見せている。予選シミュレーションではメルセデスに次ぐ3位をセルジオ・ペレスが取り、レースペースでも、ソフトタイヤでのロングランのスティント前半のペースを抜き取ればメルセデス、フェラーリに次ぐ3番目のペースとなっており、予選、決勝ともに期待の持てるデータを残している。
一方で若干期待はずれとなっているのが、レッドブルとフェラーリだ。レッドブルは、両ドライバーともターン1でスピンするシーンがあったが、無線で当初はアンダーステアと訴えていたのが、FP2の後半ではオーバーステアを訴えるなど、バランス調整に苦労している様子が窺えた。マックス・フェルスタッペンは2種類のフロントウィングを試していたということを話していたが、最適なバランスが土曜日に見つかるかどうかが勝負の分かれ目となりそうだ。
フェラーリも去年のような強さをフリー走行で見せることはできなかった。セバスチャン・ベッテルはセッション後のコメントで、
グリップ、ダウンフォースが欠けている。クルマがドラッギーなんだ。
https://www.formula1.com/en/video/2020/7/Sebastian_Vettel__Ferrari_car_is_%27too_draggy%27.html
またシャルル・ルクレールも
僕らが思っていたよりもグリップがなくて、悪かった。全体的にパッケージがまとまっていないから、明日に向けて最適なものを探すよ。
https://www.formula1.com/en/video/2020/7/Charles_Leclerc__Performance_%27worse_than_we_expected%27.html
と語っており、バルセロナテスト時のスペックとはいえ、マシンのポテンシャルに疑問を持つ結果となっている。しかし、ロングランでは、ソフトでシャルル・ルクレールが安定したペースを見せており、ベッテルもスティントの前半ではメルセデスに次ぐペースを示していたので、予選時のパフォーマンスが改善すれば、希望は持てるかもしれない。
いよいよ2020シーズンが始まり、今日の予選で今年の勢力図も明るみになる。金曜日で苦戦したフェラーリとレッドブルがどれだけ改善し、レーシングポイントの前に出れるのかが注目ポイントになる。
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