マクラーレンのCEO、ザック・ブラウンが先日発表されたレギュレーション変更について感想を述べていた。マクラーレンはレギュレーション改訂前から、特に予算制限について各チームの撤退を防ぐためにもより厳しい制限を求めていたが、それが今回の変更によって現実となった。この変更について、改めてマクラーレンはどのように思っているのか、彼のコメントを見てみよう。

私は新しいレギュレーションができたことを嬉しく思うよ。F1はこのレギュレーションによって続けられることがよりはっきりしたと思う。そしてより競争が激しくなって、最終的にはファンが勝者となるようなものになると思うよ。
ファンが勝者となったときは、同時にF1の勝利でもあるんだ。より多くの新しいファンを獲得することになるからね。TVで見る人も増えて、現地に足を運んでくれる人も増えるし、それによってスポンサーも増えることに繋がるはずだ。そのような希望が持てるようなレギュレーションになったことで、F1に良い影響が生まれたと思うよ。決してこの決断は全員が同じ状況ではないから簡単なことではなかったけど、良い形でまとめあげることができたと思っている。
コストキャップについては、マクラーレンのスイートスポットにはまる形で決まったよ。それでも上位3チームを見れば、彼らは我々よりも多くのリソースを持っているために、規模を縮小せざるをえないんだ。このような苦難はあっても悪いことではないし、コストキャップがあったとしても彼らの競争力は高いと思うよ。
コストキャップの適用が近づいてくると、ザウバーやハース、ウィリアムズといったチームも制限の中でチームを動かすようになると思うよ。おそらく彼らはこれまでと同じ位置にいるとは思うけど、現状と違うことを言うなら予算制限が厳しくなっているということだね。だから最終的には全員がこのコストキャップの恩恵を預かれると思うし、競技全体に公平性がもたらさられると思うんだ。
https://www.formula1.com/en/latest/article.new-f1-rules-in-the-sweet-spot-for-mclaren-but-fans-will-be-real-winners.1qa7ugmpqUPKnjBqJAu45Q.html
ザック・ブラウンはマクラーレンへの効果というよりも、まずはF1全体が良くなるということを全面に推したコメントを残している。レギュレーション改訂前では、予算制限が適用されないと2チームないし3チームがF1から姿を消してしまうと訴えていたが、結果的に予算制限によって踏みとどまるチームがいるという見方をしている。
しかし、ここまでの報道を見る限り、ウィリアムズはタイトルスポンサーを失い、マクラーレンもスタッフを1000人以上を解雇するなど、チーム運営が厳しい状態で、予算制限によってチームが救われるかどうかは今後の動向を見てみない限りわからず、予断を許さない状況と言えるだろう。少なくともファンが勝者となるためには、多くの人がF1を見て喜ぶことが必要であり、それはチームの撤退が一度起きるとその実現は難しくなる。少しでもチーム運営が楽になるためにいよいよ来週から2020シーズンが開幕するが、ファンが勝者となれるようなシーズンとなれるか注目していきたいところだ。
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