F1ニュース日記 -メルセデスPU圧倒劇の立役者が離脱。今後のメルセデスの野望とは

 メルセデスは15日、2014年からのV6ターボ時代を席巻する立役者となったアンディ・コウウェルがメルセデスAMGハイパフォーマンスパワートレインズ(HPP)のマネージングディレクターからの離脱を発表した。メルセデスの6連覇の大立役者を離脱させた背景と今後の影響を考えてみよう。

https://www.mercedesamgf1.com/en/news/2020/06/management-changes-mercedes-amg-high-performance-powertrains/

 まずコウウェルの功績を振り返ってみよう。コウウェルはフォード、BMW、コスワースでエンジン開発に携わり、16年前からHPPの一員としてエンジンやPU開発を牽引した。そして2010年にメルセデスがF1に復帰してからコウウェルは、メルセデスのエンジン開発の中心人物となってNAとKERSの融合開発で指揮を取った。NA時代でも確実に技術と力を付け、2013年シーズンではルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのペアでシルバーアローに優勝をもたらした。そして2013年からはV6ターボの開発が本格的にスタートし、そこでもリーダーシップを取った。その結果、2014年から圧倒的なPUのパフォーマンスを見せて、前人未到のコンストラクターズ6連覇を成し遂げた。

 そして今回の離脱の発表によってコウウェルはPU開発の第一線から退き、2021年の序盤までの開発をコンサルタントとして技術指導するという。この組織改革についてトト・ウォルフは、次のようにコメントしている。

 我々の哲学は、ダイナミックに変わる組織でありながら勝ち続けるチームで、その変化は開発部門にとって自然なものであるということだ。私は新たなリーダーシップを構築しながら仲間と一緒に働き、それを強固なものとすることができたことを光栄に思うよ。その力は今後も何年かは続けるものだし、それを生かして我々はF1だけでなくフォーミュラEでもトップを牽引していくことを目標にしている。

https://www.mercedesamgf1.com/en/news/2020/06/management-changes-mercedes-amg-high-performance-powertrains/

 今回、ウォルフの言葉にもあったように、今後メルセデスはフォーミュラEにも進出し、新しい分野でもチャンピオンを目指す体制を構えようとしている。F1では圧倒的なパフォーマンスを見せたPUが、今後も2025年まで開発が凍結されることもあり、パワートレイン開発をフォーミュラEに集中させることができると考えたのだろう。コウウェルもすぐには離脱させず、2021年の序盤まで技術指導にあたらせることで、新任のハイウェル・トーマスに確実にその力を継承し、F1とフォーミュラEの両立を目指す構えだ。

 このような計画的な戦略は、メルセデスがF1で6連覇を果たしたノウハウそのものであり、その得意な手法でモータースポーツすべてでチャンピオンを取る野望も窺える。その結果が出るまでは長い道のりとなりそうだが、確実な手法で組織的に進歩を進めているため、あらゆる分野でメルセデスがチャンピオンを取るチャンスは十分にありそうだ。

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