新型コロナウイルスの影響によって、レギュレーションやカレンダーに大きな影響を及ぼされているF1だが、イベントの進行にも感染拡大を防止するために新たな手法が用いられることになるとF1.comは伝えている。

そこではロス・ブラウンが表彰式、スターティンググリッドとドライバーズパレードの3つのイベントについて言及している。いずれもドライバーやチームスタッフによって密集する機会となるため、気を付けなければならない項目だ。
表彰式は従来通り行えないだろうが、レース後グリッド上で行うことを考えている。一つの選択肢としてコース上にレースを終えたクルマを並べて、その前にドライバーに立ってもらい行うものだ。直接手渡しでトロフィーを渡すことはできないため、進め方を色々と検討しているところで、特にTVへの映り方を模索しているところだ。
https://www.formula1.com/en/latest/article.podium-ceremonies-on-the-grid-ross-brawn-explains-potential-tweaks-to-2020.6aThHyjC9667cIoyHnnljV.html
従来の表彰台だとドライバー3人と優勝チームの代表者1名が登壇するだけでなく、トロフィーのプレゼンターも4人登場し、直接手渡しでトロフィーを渡していたが、その形式を全て見直す形で検討されているということだ。ブラウンが言及していたグリッド上での表彰式はクルマが並べられている中で行われる表彰式はこれまでとは全く異なる形にはなるものの、レースを終えたドライバーたちの表情がよく見えて興味深いものになりそうだ。
スターティンググリッドでの国歌演奏の時を例にすれば、一同が集団になって介してグリッドキッズがドライバーの前を立つような形式では行えない。グリッドキッズにはバーチャルで登場してもらうことになるだろう。子どもたちにはユニフォームを送って、みんなからメッセージを添えたビデオを送ってもらうことを考えているよ。
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スターティンググリッドでの国歌演奏はF1開催の週末の中で最も華やかな時間の一つで、毎レース各国の主催者が工夫を凝らして、その国の特徴を世界中に表現するが、その形式も変えなければならない。グリッドキッズのバーチャル化はとても興味深いが、実際の運用でも課題は多いはずだ。
例えばスターティンググリッドはドライバー、チームスタッフだけでも多くの人が集まり、前後8m間隔に配置されたグリッド上は自然と密集状態が発生する。おそらく少しでも密集を避けるために、これまで立ち入りが許可されていたメディアや競技に関わらないチーム関係者は立ち入りが制限されるだろう。スターティンググリッドは、今シーズン最も大きく変化することを余儀なくされる場面の一つとなるが、言い換えればそこが世界中のTVで発信される機会で、F1がどのようにして感染対策を行っているかをPRする場所でもあるため、慎重かつ丁寧な対応が求められるだろう。
ドライバーズパレードは今年20人のドライバーがトレーラーの後ろに立ってコースを周る形式ではやらないつもりだ。その代わりにドライバーたちのインタビューをガレージの前でやるような形を考えているよ。これについては、ドライバーやスタッフの健康と安全を第一に考えて多くの方法があると思っている。
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ドライバーズパレードについては、従来はサーキットに集まったファンのためにドライバーたちがトレーラーの後ろに立ったり、クラシックカーに乗ってサーキットを1周して、インタビューを受けたり、ファンにキャップやTシャツを投げ入れるシーンが映っていたが、無観客の状態ではその方法も根底から変えなければならない。レースの90分前に行われていたドライバーズパレードは、私たちをいよいよレースが始まるという雰囲気にさせ、ドライバーやファンがアドレナリンを高める素晴らしい時間だった。今後は同じような形式での進行はできないものの、これまで通りレースに向けて気持ちを高めてくれるようなイベントが開催されることを願いたい。
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