ロス・ブラウンは2026年のレギュレーション変更があるまで、新たなPUマニュファクチャラーを参戦させない方針を示したことをAutosportが報じている。ブラウンの言葉には、将来のPUに向けた検討の様子が述べられていた。
FIAとマニュファクチャラーと一緒に次世代のPUがどうあるべきかを模索していて、そこに新たなマニュファクチャラーが参戦する可能性があると考えているよ。そのためにどのような仕様にするかも検討しなければならなくて、私たちが求めているのは、その期間にあったPUだ。
開発は終わっているし、速さを得るには相当な研究が必要だから、もう誰も今のPUを新しくしようとはしていないんだ。だから今はF1に携わってきたエンジニア達と将来のPUがどうあるべきかを議論しているんだ。
そして将来のPUに課されたミッションも理解している。それは経済的なもの、レースをエキサイティングにするためのものだ。そしてそれを達成するためのソリューションが必ずあると信じて検討しているよ。しかもそのソリューションは一つだけとは思っていない。エンジンはF1の中で最も大きなパーツの一つで、存在し続けるものであるから、再生可能燃料がその要素になると思う。
現在のPUは2014年から既に5年間使われ、その技術はかなり成熟し今や過去最速のPUとなっている。そして現在発表されているレギュレーションによって2025年までの開発が制限されており、新規参入は難しい状況となっている。しかし2026年以降のPUの仕様が検討されているということで、そのときに新たなマニュファクチャラーを募ろうというのがブラウンの考えだ。
今回の発言の中には具体的な仕様は述べられていないが、候補の一つとして再生可能燃料が挙げられている。インディカーでは既にバイオ燃料を使ってレースがなされているが、F1では未だ導入されておらず、その点については遅れを取っていると言えるだろう。
しかしF1の場合は、インディカーよりも技術が複雑で、かかる開発コストも莫大だ。マニュファクチャラーは4社ありレギュレーションも厳しくあるため、対応には時間がかかる。しかし一度きちんとしたレギュレーションが立てられれば、あっという間に世界最高の技術が生み出される。
2026年まで新たなマニュファクチャラーが誕生しないのは、寂しさも感じる一方で、将来の技術革新については今回のブラウンのコメントで期待が高まった。
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