F1ファンにとって待望のレースカレンダーが発表された今日、もう一つ大きな注目の的になっている議論がある。それは再開した時のレースについてのフォーマットで、土曜日の予選レースでリバースグリッド制を採用するか否かだ。
先週金曜日に各チームを集め開かれた電話会議で、ダブルヘッダーで行われるレースについてのレースフォーマットが話し合われ、土曜日にリバースグリッド形式での予選レースで日曜日のレースのグリッドを決め、翌日のレースを戦う案が出されたという。土曜日のリバースグリッドについては、チャンピオンシップのリバース順という案がなされているようだ。
このレースフォーマット案に対して、メルセデスは反対の意思を持ち、レーシングポイントも慎重に議論すべきという姿勢を示しているという。
一方でレッドブルのクリスチャン・ホーナーは賛成側に立っている。それはF1にとって失われるようなものではないとして、ダブルヘッダーレースでより興味を引くようなものを導入するべきという意見を持っているとAutosportが報じている。

オーストリア、イギリスのように、ダブルヘッダーで開催されるところほど良い機会を持った場所はないと思う。問題は同じサーキットで同じフォーマットにするかどうかだ。もしそれをした場合は結果も似たものになるだろう。そこでいつもとは違ったことを試すのに理想的な機会だと思うんだ。
私はこの案はF1全体にとってポジティブなものだと思う。ある人は同じサーキットで連続開催をするときに、違ったことを試すのはあまり良いこととは思わないかもしれないが、私は1週間後にまた同じイベントを行うことが、効果的なアピールにはならないと思っている。
https://www.autosport.com/f1/news/149728/horner-now-is-best-time-for-f1-to-try-reversed-grids
このように語ったホーナーは、現在検討されているフォーマットの実現を推している。予選レースとリバースグリッドが同時に採用されることで、レッドブル自身も過去2年勝利を挙げているオーストリアでの勝利を逸することにも繋がりかねないが、それよりもF1をより魅力的なものにしていくための意識が強く、今の危機をF1全体で乗り越えようとする姿勢が垣間見えている。
確かにこのようなレースフォーマットの案は去年から、F1が新たなショー要素の追加を目的として、様々な形式を検討していると、ロス・ブラウンが明かしており、去年のシーズン中にそれが実験的に行われるのではないか、という噂もあった。しかしブラウンは突然正式なレースに導入することに対して慎重な姿勢を示しており、eSportsを活用した形での検討などを進めたいともしているので、実際にこのフォーマットがダブルヘッダーの中で実現するかというとその可能性は低いと考えられる。
また今日発表されたカレンダーをみると、オーストリアでの初戦まではわずか1ヶ月しかなく、従来のレースフォーマットを変えての実施とするならば、チームの全会一致は必要になるはずだ。時間は残りわずかになっている状態で、F1ができることは慎重に検討していただきたいが、今回の再開が一つの大きなアピールになることに対しては、ホーナーの意思を尊重して見守りたいところだ。
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