ピレリは7月からスタートするとされているシーズンに向けて、タイヤサプライヤとして取る準備の一つとして、現在レギュレーションで定められている、チームによるタイヤアロケーションの申請を取り消すことを検討しているとAutosportが報じている。

ピレリのマリオ・イゾラが語った内容は以下だ。
ヨーロッパで最初のレースを迎えるとなれば、我々はアジアとアメリカを短い期間で渡ることになる。それはタイヤの製造にとって忙しい期間になることを意味する。我々は数ヶ月の間に35,000本のタイヤを製造しなければならないんだ。
レギュレーションではヨーロッパ以外の地域で開催されるレースに対して、チームは週末の中で13セットのタイヤの本数をレースの14週前に申告しなければいけないことになっている。
しかし、今年の場合はシーズンがかつてないほどに圧縮された中で行われる事が想定されるため、現実的な形でタイヤの供給を行わなければならないんだ。
アロケーションを標準化したとしても戦略上の違いをもたらすことができると思う。なぜならフリー走行でいくつかのセットを返却しなければならないルールがあるからだ。同じコンパウンドを同じ数だけ返却するというルールではなく、チームが望むセットを返却できるのだ。だから予選やレースに向けてはチームがそれぞれ違ったアロケーションを持つことが可能だ。それはこれまでのレースでも起きていたことだ。
https://www.autosport.com/f1/news/149465/pirelli-planning-to-stop-f1-teams-making-tyre-choices
この圧縮されたシーズンが行われることを考えれば、この措置は妥当といえるだろう。現在のピレリのタイヤ選択を見てもコンサーバティブなので、各チームで選択が似ていることもあり、皮肉なことに実際チームごとの選択について大きな差別化も図れていないのが実態だ。
ここ最近のレース週末では、FP2でロングランの確認をするときにドライバーを分けて、ハードとミディアムのデータを取り、ソフトのデグラデーションも見ながら予選とレースの戦略を決める。そのため少なくともハードが2セット、ミディアムが3セット、ソフトが8セット供給されていれば週末のレースには何の問題もないだろう。むしろ今シーズンに限らず、来年以降も13セットの供給は固定にして、週末の中の返却セットは自由にすればすべて事が足り、複雑なルールの簡略化、ピレリの予算削減にも繋がりメリットだらけだと思うが、いかがだろうか。
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