FIAが更なるウエットコンディションやクラッシュ時の安全性を確保するために、新たなレインライトシステムの導入やシャシーの改善を検討しているとAutosportが報じている。検討しているシステムはどのようなものなのか見てみよう。

導入が検討されているレインライトとは、車両後方に付けられるリアレインライトに複数の色を付けて対応されるということだ。レインライトが黄色になると、レースが黄旗状態に入っていることを意味し、イエローフラッグエリアに入るとドライバーに減速を促すようにするようなシステムということだ。
FIAの声明では、「重なるテストと調査が必要になるが、レインライトの適用はドライバーの認知時間の短縮、安定的なドライバーへの認知、ドライバーの黄旗導入時の適切な対応改善効果が期待できる」としている。
さらに大きなデブリやクラッシュした車両に対する警告の改善も検討しているとのことだ。特にクルマのフロント部分とリア部分が分離してしまうと、それに接触してしまうリスクも増加してしまう。そこで大きな衝撃を受けたとしても、前後が分離してしまわないように、現在ホイールとサスペンション間で搭載されているのと同じように、テザーで接続することを検討しているということだ。
また、突然のパンクに備えてタイヤ内圧のモニタリングシステムの導入も推奨しており、すでに今シーズンのF2とF3には運用がされる。
このような検討はF1だけでなく、F2、F3、フォーミュラEへの実装も含めて検討されているということで、FIAが特に力を入れて取り組んでいることが伺える。というのも、昨年のベルギーで起きた事故がきっかけで、原因となった事象の防止のために働いているということだ。
このような変更によって、シャシーやクルマの見た目に変化は出てきてしまうが、悲惨な事故を少しでも減らすためには必要な活動であると思う。また、ベルギーの事故からまだ9ヶ月程度しか経っていないが、すでにマシンやマーシャリングシステムに対する具体的な改善策が検討されており、安全に対するFIAの姿勢が改めて認識できた。ドライバーやサーキットに関わる人たちの安全のために、今後もこのようなアップデートが続々と出てくることを願う。
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