F1ニュース日記 -レースが再開されるとドライバーの首はどうなるか

 先日、カルロス・サインツがイベント中止に伴う不安点を述べたものを紹介したが、もう一つ自身にとって不安要素となる点を述べていたので、紹介したい。

F1 News: Sainz says drivers will struggle with necks on return
Carlos Sainz Jr believes Formula 1 drivers will struggle with their necks in the first race of 2020 when the sport finally resumes following the COVID-19 crisis

 現在ヨーロッパでは感染拡大を防ぐために、一時の厳しい封鎖は解除されつつある傾向だが、依然として不要不急の外出は控える行動がなされている。当然トレーニングも自宅でするものがほとんどで、行うべきトレーニングが100%行えていないのが実態だ。

 首は特に心配だね。家でどれだけハードにトレーニングしてもF1のGを模擬することはできないんだ。だから首が慣れていない状況でいきなりレースしないといけないから、シーズンが開幕したときには首に大きく負担がかかるだろうね。今オーストリアが開幕として候補に上がっているけど、あそこは首の負担がそれほど厳しくはないんだ。でもコーナーでは辛いだろうね。もしハンガリーやシンガポールが開幕戦になれば首を壊さずにレースを終えることができそうだけどね。

https://www.autosport.com/f1/news/149237/sainz-drivers-will-struggle-with-necks-on-return

 サインツはこのようにレースが始まった時の首に対する不安を述べた。いくら有酸素運動をしても、体にあるあらゆる筋肉を鍛えようと思っても、首のトレーニングはやはり難しい。F1では特に予選におけるコーナーリング時で最大6G、つまり体重の6倍の重力が首にかかる。イメージとしては60kgの重りを首からぶら下げることになるが、そのような環境を家で作り出すのはまず不可能だ。

 以前佐藤琢磨のインタビューがテレビで流れていたが、彼は首を鍛えるために米袋を首から下げて負荷をかけてトレーニングしていたという。日本人ならではの発想だが、スペイン人だとパエリア鍋を下げてトレーニングするのも良さそうだが、それでもF1の負荷には到底届かない。

 さてサインツがいうようにオーストリアは高速コーナーが少なく、あるとしてもターン7から9にかけてなので、手始めにはまだ大丈夫かもしれないが、これがもしシルバーストンで開幕を迎えるとなれば、200km/h以上で駆け抜けるコーナーが多く、首への負担はカレンダーの中でも最も厳しいサーキットになるので、レース結果に影響を及ぼすかもしれない。ドライバーたちはその影響を最小限に抑えるため、日々トレーニングに励んでいるが、レースが始まったときその努力が我々の前に明かされることになる。

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