カルロス・サインツは現在のレースが開催できない状況を見て、本音を残していた。サインツは今シーズンの開催に対する厳しさを理解しながらも、今後のレースが開催されるかどうかわからない不安な気持ちを語っている。

僕はすべてのレースが中止となるよりも、計画されていたレース数よりも少ない形でシーズンが行われると思っているよ。シーズンがもし始まらなくなった時にはとても受け入れ難いものになるだろうね。もしこの状況が制御不能のものなら仕方なく思えるのかもしれないけど、このスポーツに取り巻く不安は想像もできないようなものになるだろうね。でもF1には多くの素晴らしいエンジニアや基盤があるし、この状況を乗り越えることで僕らの強さが再認識できる機会だと思うよ。
https://www.autosport.com/f1/news/149146/sainz-losing-20-f1-season-would-be-hard-to-accept
不安な気持ちを正直に告白したサインツだが、その一方でF1に対する信頼も述べていたことが印象的だ。1ヶ月前のメルボルンでは後手となった対応に批判が集まったF1界だが、この失敗を2度と繰り返さないためにも、このサインツの言葉を裏切らない対応をF1がしてくれることを我々も切に願う。
さらにサインツは今後のレースの開催についても独自の見解も述べていた。
個人的には今シーズンは8から14レースくらいになると思うよ。今の状況を考えれば、延期されたレースを改めてやるほどの余裕はあまりないよ。いずれにせよ、今までのF1のレースとは全く異なったチャンピオンシップになるだろうね。でもスーパーシーズン(2020年と2021年にまたがって1シーズンにする)に決めるのは時期尚早だと思う。スーパーシーズンにするのなら、それは適切な権限を持った人たちが決めることだ。でも僕はスーパーシーズンにして欲しくない。
https://www.autosport.com/f1/news/149146/sainz-losing-20-f1-season-would-be-hard-to-accept
現在はフランスGPまでの延期や中止が発表され、チェイス・キャリーが7月のオーストリアからの開幕と依然として15から18戦の開催を目指しているとの声明を発表した。感染状況は下降気味に見られているとは言え、スペインかぜを例に見れば1度の流行が治まった後に2回目の流行があったことを考えれば油断は許されない状況だ。

「日本におけるスペインかぜの精密分析」より死者数の推移
この状況を思えばサインツが言うように、将来が見えない中でスーパーシーズンや新たなフォーマットで話を進めるのも時期尚早のように感じる。今は世界の多くの人が困難な状況にある中で、まずは苦しむ人たちに支援の手が差し伸べられて、完全にウイルスがクリアとなった時に検討をすべきだ。サインツが語った不安もF1やチームがいかにしてケアをし、事態をポジティブに進めていくのかもしっかり見ていきたい。
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