ランド・ノリスがSkysportsのvodcastに出演し、バーチャルレースやこれまでのレース生活について語っていたので、今回はその内容を共有したい。

まずノリスはCOVID-19に戦う医療関係者に寄付を募り、目標額に達成したことでこのステイホーム期間中に頭を丸めた。本人は「正直髪を刈り上げた時は変な気分だったよ」と言いながらも、似合うその髪型を見せた。
さて最初の話題はノリスを中心に今活発に行われているバーチャルレースについてだ。ノリスはここまでF1公式としては4回のバーチャルレースが行われているが、すべてに参加しているドライバーだ。そのため彼ならではの話が上がっていた。
「(オーストラリアでタッグを組んだジェンソン・)バトンは良いパートナーだよ。バーチャルレースは実際のクルマとは挙動が違うから扱うのが難しいんだ。タイヤの労り方だけでもクルマやソフト、コースによって異なうからね。でもバトンが僕らと一緒に戦えることは本当にすごいことだよ」とバトンに称賛を送った。一方で、Twitchのアカウントを持っており、他のeSportsに参加しているマックス・フェルスタッペンがバーチャルレースに参加していないことについてはこのように述べていた。
マックスは僕らと戦うことを恐れてるんだろうね笑 F1カーに乗ってF1らしいスピードを感じながら実際のコースを走れるからF12019は楽しいよ。でもiRacingはGTやシングルシーターとか色んなクルマに乗れるんだ。だから彼は色んなクルマに乗ることを楽しんでいるんだと思うよ。彼とはあまりバーチャルで戦ったことは無いけど、戦うとなったらやっぱり彼に勝ちたいよね。もしかすると彼は僕に勝てないからバーチャルレースには参加しないんだろうね。レッドブルが彼を誘ってくれれば良いんだけど。
と軽いジャブをフェルスタッペンに残した。フェルスタッペンが将来バーチャルレースに参加するかどうかは分からないが、実現した時はこの発言によって激闘が演じられるかもしれない。
一方で現在のバーチャルレースの状況について、冷静にこのようなことも述べていた。
バーチャルレースは毎周同じように走るのが難しいんだ。だけど僕と一緒に走っている人の各コーナーでの動きを見ていると本当にすごくて、レベルが高すぎて僕は思わず笑ってしまうほどなんだ。シムレースからリアルのレースに出ている人もいるくらいだからね。イゴル・フラガはその一人だよね。彼はバーチャルレースで世界一速くて、TRS(Toyota Racing Series)でチャンピオンになって、今年はF3にも出るから本当にすごいよ。
イゴル・フラガはこのブログの中でも度々紹介してきたが、その戦い方はとてもクレバーで前年のチャンピオンであるリアム・ローソンの連覇を阻止したのはまさに圧巻だったが、それはノリスも同じく感銘を受けていた。ノリスが言うように今後は、このような形でリアルのレースに飛び込むドライバーは増えそうだ。
最後に視聴者から寄せられた質問に答えた。その質問とは、カート時代での一番の思い出と、いつからF1に乗れると確信を持ったかというものだった。
カート時代は僕のレース人生の中でも最高の時間だったよ。特に2014年の世界選手権は良かったね。僕はあまり自信が持てない人なんだ。だからレースができるだろうとは思っていたけど、F1に乗ることは一番難しくて、自分にできるかどうか分からなかったんだ。しかも世界中から強いドライバーがたくさん集まって戦うんだからそれだけでも特別なことだけど、それに加えて彼らに勝たないといけないんだ。それに強いだけじゃなくて、ユニークなタレントも必要だね。
だからF4やフォーミュラルノーにいたときは、カテゴリが下すぎてF1のことまで考えられなかったよ。でもF2やF3まで来たときは少し現実味が帯びてきたかな。F2で戦って、F1でFP1を走ったときは自分がF1に乗れると信じられるようになってきたよ。FP1で乗った時に、アロンソやバンドーンと自分の走りを比べて、似たようなレベルに達したときにF1に乗れると確信が持てたね。
いつも明るく振る舞うノリスだが、実は自信をあまり持たないのは意外な一面だった。しかし確実にレースに勝ち続けて自信を付けてきたからこそ今の地位にいるのだと思わせてくれた。
マクラーレンの復活にはまだ道半ばとは言えるが、昨年はカルロス・サインツとともにコンストラクター4位を獲得し、今シーズンも引き続きその座を確実なものにし、控える2022年の大改革からチャンピオンシップ獲得への自信が付けられるかどうかが今後の注目ポイントになりそうだ。
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