F1ニュース日記 -フェラーリドライバーはバーチャルでも一切妥協なし

 フェラーリのチーム代表のマッティア・ビノットは、先週のバーチャルGPでシャルル・ルクレールが優勝したことについて、バーチャルGPに対する影響を述べていた。

Charles Leclerc’s Ferrari team boss Mattia Binotto hails his Esports win as ‘important’ | Formula 1®
Charles Leclerc’s Ferrari team boss Mattia Binotto has praised his young charge’s victory in last weekend’s F1 Esports Virtual Grand Prix series, believing it h...

 視聴された方も多いと思うが、先週はメルボルンを舞台にしたバーチャルGPが開催された。そこでルクレールは初のバーチャルGP出場にも関わらず、完璧なレース運びでポール・トゥ・ウィンを飾った。この優勝についてビノットは

 彼にとってF1マシンに戻るまでとても大事な優勝だったと思うよ。マシンに乗れないこと、レースができないことを寂しく思っていたはずだ。その中でこのバーチャルGPは良いイベントだと思う。熱中するし、実際のレースに対してのフィードバックも得られるはずだ。みんなも明るい気持ちになるし、シャルルもポール・トゥ・ウィンを決めたことで、彼が待ち望んでいたものを得られたと思うよ。

  今は国の指示に従わなければならないけど、ドライバーはトレーニングを欠かせてはならないんだ。それはフィジカルだけでは無く、メンタルもだ。いつ開幕しても良いように準備をしておく必要があるんだ。

https://www.formula1.com/en/latest/article.leclercs-team-boss-hails-important-esports-win.6f5bH37PkFYZzFGunmxBFv.html

 とレースは無くても、精神的にはバーチャルGPが良い効果を見せていることを認めている。ノリスも先日紹介したように語っていたが、バーチャルGPは実際のレースよりも、“恥をかかないため“にリアルのレース以上に緊張すると語っていたが、普段とは違ったプレッシャーを感じながら、競うことができるので家にいて退屈になりがちなこの時期にあっても、良い緊張感を持って参加できそうだ。

 実際のレースとなると様々なプレッシャーがかかるが、それに普段から晒しておくことで重要な場面で失敗しないようにする効果はあるだろう。フェラーリドライバーともなると、他のチームには無い伝統や格式を背負うことにもなるので、強いプレッシャーに打ち勝つメンタルは必須とも言える。

 ルクレールといえば、昨シーズンは友人であったアントワーヌ・ユベールを前日に亡くしたベルギーで、ポール・トゥ・ウィンと完璧なレース運びでF1初優勝を挙げ、この勝利をユベールに捧げた。続くイタリアでも、地元のティフォシからの強い期待と再三に渡るメルセデス陣営からの激しいプレッシャーに晒されたが、それらを物ともせず、53周にわたりトップを守り切った。昨シーズンのルクレールの優勝はこの2勝に留まったとはいえ、いずれも強大なプレッシャーが彼の肩にのし掛かっていたのは我々の目から見ても明らかなことだった。

 そのような状況にあっても勝てるのだから、すでに屈強なメンタルをルクレールは持っている。しかし、更なる高みを目指すためにはこの成長だけに留まってはならず、たとえバーチャルGPであってもメンタルを鍛えることは欠かしてはならない、そのようなメッセージをビノットの言葉から感じた。

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