F1ニュース日記 −2020年スポーティングレギュレーションが改定。そのポイントは?

 新型コロナウイルスの影響で、完全な形でのシーズンが遅れなくなった今、FIAから新たな2020シーズンのスポーティングレギュレーションと2021年以降の暫定テクニカルレギュレーションが発表された。今回はその変更点を見ながら、レースを見る上でポイントとなる項目を確かめよう。

 まず、FIAがリリースした主な変更内容は以下だ。

  • 4月30日以降のスポーティングレギュレーションの改訂は60%のチームの支持によって確定し、国際モータースポーツ評議会の承認を必要とする。
  • カレンダーの変更に関してはチームの投票なしで決定できる
  • テストのレギュレーション変更
  • PUサプライヤの閉鎖を追加
  • レース開催数減少に伴うPU使用数の変更
  • 2020年レギュレーション施行中(3月28日から)における、2022年の空力開発の禁止

 実際のレギュレーションも見てみよう。まずイベントについて規定されている5章では、5.6項が追加になっており、そこでは12台以下の出走ができない場合は、イベントをキャンセルできるという条項が追加となっている。

 3月の時点では、ロス・ブラウンが1台でも出走できない状況が生じた場合は、選手権として開催しないと明言していたが、今回の変更では、12台以下での出走という形で記載された。しかし、今回の一連の中止の発表にもある通り、出走可能台数によらず開催の判断はその都度行えるはずなので、あくまでも目安として考えた方が良いだろう。

 テストに関しては、若手ドライバーの参加について、任意の1日テストが現行のマシンで最終戦終了後に行われ、このテストに関しては2台以上での参加も認められる。レースの開催が厳しい状況であっても、若手ドライバーに対してドライブするチャンスは与えられることになった。また通常は1台での参加が規定されていたが、インシーズンテストが通常通り開催されない可能性もあることから、2台での出走も認めることで、若手ドライバーに対するチャンスはなるべく与えようという姿勢が伺える。

 また以前まではPUサプライヤに対しては夏休みの規定がなされていなかったが、今回のレギュレーションでは3月から4月にかけて21日連続での閉鎖が行われることが規定された。国によっては政府の要請によって閉鎖する期間が異なる場合があるが、これに対しては、定められた期間を振り返ることも可能だ。この閉鎖期間中は以下のことを遵守する必要がある。

  • テスト施設はメンテナンス目的の稼働を除いて停止PU部品
  • テストパーツ、工具の製作の禁止
  • PUの組み立ての禁止
  • エンジニアリング、設計、開発、製造、テストに関わる従業員の業務禁止

 これで各国での政府の要請の違いに対してもレギュレーション上で平等となるように規定されたことになった。もちろんホンダも対象で、この期間HRDさくらの従業員も休業を余儀なくされることになる。

 PUの使用数については、14レース以下となった場合は、すべてのコンポーネントに対して3基以上の使用は認められない。また11レース以下となった場合は、ICE、MGUーH、ターボチャージャーは2基まで、それ以外のコンポーネントは1基までの使用が認められる。それを超えての使用は従来のペナルティのルールが適用される。

 使用数に関してはフルシーズン戦ったときの使用数から大差がないように規定されており、去年とほぼ同じ距離を一つのコンポーネントで走行する必要があり、その耐久性はこれまで通り求められることになった。

 今回のレギュレーション変更は、シーズンのレース数が減少してもこれまでと変わらない形でレースが行えるように変更したものがほとんどだ。ファクトリーの閉鎖を余儀なくされている昨今だが、この制限が解除されても、各チームにはこれまで通りの厳しさが求められ、面白さが損なわれないようになっている。

 また2021年以降のテクニカルレギュレーションについては、今もチームとFIAの間で協議が続けられており、どのような形で制定されるのか注視していきたい。

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