開幕のオーストラリアGPまで1週間を切ったが、今年は新型コロナウイルスの影響で特に前半戦の開催が不透明なままだ。誰もこの先の将来については知らず、いつ収束するかも分からない状況の中で、F1は何とか予定されていた22戦すべての開催に奮闘している。そこで今回はコロナウイルスによって数戦が延期または中止、あるいはノンチャンピオンシップとしての開催となった時の影響を考えてみたいと思う。
まず現段階で決定しているのは、4月19日に決勝が行われる予定だった中国GPの開催が延期したことだけだ。しかし、感染が各国で日々拡大していることで、入国規制も段々と厳しくなっているため、最悪のケースとしては一部のチームやメディアの関係者が入国審査で拒否されることが考えられる。このような不安もある中で、今後の開催についてF1のマネージングディレクターであるロス・ブラウンは、
もしチーム関係者が入国拒否された時はワールドチャンピオンシップとしてレースはできない。単純にこれはフェアじゃないからだ。
https://www.autosport.com/f1/news/148530/brawn-no-f1-races-if-teams-restricted-by-coronavirus
とチームの関係者が入国拒否された時は、ノンチャンピオンシップとして開催するとの考えを述べている。
ブラウンが言うように、出場するつもりで準備を進めていたチームが、外的要因でよって出場できないのにも関わらず、チャンピオンシップとして開催されることはフェアではないが、ではノンチャンピオンシップでの開催はフェアなのだろうか。
これに関してはわたしは率直に言ってフェアではないと思う。理由は単純で、入国許可されたチームはノンチャンピオンシップとは言え、実車での走行が行えるチャンスを持つが、入国拒否されてレースができないチームはそのチャンスも失うため、フェアではないと思う。現在のF1では実車での走行が厳しく制限されており、特に今年は開幕前のテストがこれまでの8日間から6日間に短縮されているので、各チームとも何らかの形で走行機会が与えられるだけでもメリットはある。
走行機会が与えられたチームは、ノンチャンピオンシップであるからこそテストしたいアイテムを積極的に使うことができ、またクルマに対しての理解が乏しいチームにとってはこの走行によってマシンの成熟を進められ、今後のチャンピオンシップにおいてある程度の効果が期待できる。このように走行できるチームとできないチームが存在するのはフェアではないと思う。もし入国拒否されるリスクがあるのであれば、早々に開催を取りやめるのがすべてのチームにとってフェアなことだし、決断を早くすることで、ファンにとっては残念ではあるが、そのショックをある程度軽減できるのではないだろうか。
コメント