2020 バルセロナテスト 2 Day 1 まとめ -風に悩まされた各チーム。レーシングポイントは直線番長?

 バルセロナテストは後半戦に入り、先週の改善点を各チームは確認し、開幕戦に向けて最終確認へと入っていく。ここで重要なのはマイレージを稼ぐことだけではなく、レースシミュレーションや予選シミュレーションを通して最適なセッティングを見つけることや、状況に応じたクルマの最適化の作業が重要となってくる。

 その中で4日目のタイムシートでトップタイムを記録したのはアルファロメオでリザーブドライバーとして活動しているロバート・クビサだった。

 このタイムにはいくつかのことわりが必要だ。まずこのトップタイムをマークしたときに履いていたのはC5ということだ。現時点でのC5での最速タイムは3日目にバルテリ・ボッタスが記録した1:15.732で、それと比較しても1.2秒後方となっている。もちろんどのエンジンモード、燃料搭載量で走行したのかも分からない。またこの日は路面のグリップが悪かったことがドライバーからのコメントを見ても確認できており、このタイムがアルファロメオとしての実力なのかを決めるのは時期尚早だ。とはいえこのニュースには期待を持ったファンも多いことだろう。果たしてこのようなタイムがシーズン中にも見られるのか、楽しみに待ちたいところだ。

 さて、この日はハースを除いた9チームが午前と午後でドライバーを変え走行を行なった。その中でもメルセデスは確実にマイレージを稼ぎ、この日も全チームの中で最長の走行を行なった。しかし、ルイス・ハミルトンが走った午前中は、路面のグリップが低く、風も強かったことを前置いて、先週ほどの良さはなかったと語っていた。さほど心配するようなものではないと思うが、少し気になるコメントを残していた。

 ハミルトン以外にも風の強さについてコメントを残すドライバーも多く、実際にセバスチャン・ベッテルがターン7で不自然に膨らんでスピンするシーンがあった。そのためか1週目よりもタイムも速くはなく、ドライだったとはいえ決して良いコンディションではなかったことが伺える。

 さて今回はスピードトラップのデータを見てみよう。下の表は各チームのDRS使用時と非使用時の速度を一覧にしたものだ。

 この速度も各チームのエンジンモードや燃料搭載量に左右されることがあるので、鵜呑みは禁物だが、先週までエンジンモードを絞っていたと見られるフェラーリはメルセデスに対してDRS非使用時でも3km/h差となっていたので、今週から多少のパワーを出してきていることが伺える。フェラーリはこの日の会見の中で、直線を少し犠牲にして、コーナーリングスピードを稼ぐようにしているとも語っており、昨年ほど大きな大差は見られない可能性があるのも、気にしなければならないポイントだろう。

 もう一つ確認しておかなければならないのはレーシングポイントだ。彼らはここまでのテストでセクター1において最速の21秒692を記録しているが、この理由がこのスピードトラップから分かる。カタロニア・サーキットのセクター1はターン1のみがコーナーと数えられ、他のターン2、3に関してはほぼ全開で抜けられるコーナーのためストレートスピードがタイムに与える影響が大きい。そのためスピードトラップでも最速を記録しているレーシングポイントが速く、彼らはコーナーリングスピードよりもストレートスピードを重視した方向でクルマを仕上げていると推測できる。逆にセクター2やセクター3では最速タイムを記録しておらず、去年のフェラーリに似た傾向がよく見られる。

 この傾向を確実に掴むには、シーズンインしてから3戦程度は様子を見る必要があるが、レーシングポイントのこの傾向が本当ならばバーレーンでは大量得点も臨める展開となるかもしれない。

 4日目は各チームともコースコンディションがあまり良くなく、タイムもそれほど伸びなかったため、ロングランに集中することが多かった。しかし5日目以降は今まで予選シミュレーションをしなかったフェラーリやレッドブルもその実力を見せる機会もあるはずなので、今後の展開には注目していきたいところだ。

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