プケコへのRace3はニュージーランドモーターカップとして開催された。これは1921年から開催されており、過去にはスターリング・モス、ジャック・ブラバム、グラハム・ヒルといったレジェンド達が勝利を収めている伝統的なカップ戦だ。
この伝統的なレースでのポールポジションを獲得したのはリアム・ローソンだ。横にはチャンピオンシップを争うイゴル・フラガが並んだ。角田裕毅は予選2回目で満足な走行ができず、16位からのスタートになった。
スタートではローソンとフラガがサイドバイサイドでターン1へと侵入していったが、その後のコーナーで背後からグレゴイア・ソーシーがフラガに追突したためにフラガはスピンを喫し、最後尾にまで落ちた。角田はこの混乱に乗じて3周目にして8位にまで順位を上げた。
コースの各所で接触があり、デブリが散乱していたために4周目からSCが導入された。
残り19周からレースは再開した。しかし最終コーナー直前でソーシーにトラブルがあり、ピットへと向かった。これでローソンの後ろは2.4秒差にリリム・ゼンデリがいることになったが、既に独走体制を築いており、ローソンにとっては願ってもない展開になった。
角田は16位からのスタートであったものの、うまく混乱を避けながら順位を上げ、イド・コーエンに対しては激しくヒットしながらも順位を奪い、表彰台が視界に入る5位にまで浮上してきた。さらに残り3周のところでは、ピーター・パタチェクに対して深いブレーキングでロックアップも一切せずアウト側からお手本のようなオーバーテイクを見せてくれた。予選の失敗はあったものの、それを一気に忘れさせてくれるような素晴らしい動きをRace3では見せてくれた。
一方ローソンは1周目から守り続けているトップの座をただ守るだけでなく、他よりも0.5秒程度速いペースで攻め続けていた。この姿勢によって最終的には6.9秒差にまで広がった。そしてローソンがプケコへでのニュージーランドモーターカップを制した。
レース序盤でライバルのフラガが下位に落ちる展開となってしまったが、攻め続けるローソンの強さがはっきりと現れたレースとなった。
プケコへを終えた段階で、チャンピオンシップはローソンが286ポイント、フラガが278ポイントで、両者のポイント差は8ポイントとなったが、3戦目や今回のレースを見ると最後までどうなるかわからない状況だ。今回は不本意な接触でポイントを取りこぼしたフラガだったが、次のレースでは完璧な走りを見せ最後まで盛り上げてくれることを楽しみにしたい。
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