パット・フライがルノーのテクニカルディレクターとして2月5日から就任することが発表された。
フライはこれまでベネトン、フェラーリ、マノー、マクラーレンでエンジニアとして活躍してきた。直近ではマクラーレンのテクニカル面を支えてきたが、ジェームズ・キーの加入に伴ってチームを離脱しガーデニング休暇をしていた最中だった。
フライは各チームの技術的な中核として携わることが多く、特にマクラーレン時代はミカ・ハッキネンや、デビッド・クルサードのレースエンジニアとして働き、毎年チャンピオン争いをするほどの実力を持っている。また2007年のMP4-22に対しては開発の責任者として活躍し、シーズン8勝を収め、最終戦までドライバーズチャンピオン争いを繰り広げた。
エンジニアとしては実績のあるフライがエンストンのチームへの復帰するのはおよそ30年ぶりになるが、チームは彼にどのようなことを期待しているのだろうか。
考えられるのはフライが持つ豊富な経験だろう。ルノーには今フライほどの経験を重ねたエンジニアはほとんどおらず、開発側の指揮を執れる人材はほとんどいないようだ。開発現場の指揮を執るには、それぞれの現場を理解している必要があるが、今責任者として立っているレミ・タフィンだけでは今の複雑なクルマの開発を効率的に進められないと考えたのだろう。
また、2021年に迎える大変革に向けて、今からフライに尽力してもらい、良いスタートを切りたいという思いもあるだろう。そう考えると、今年は我慢の1年としても、2021年は最初から上位進出が狙えるところで戦いたい思いもあるはずだ。
今年は2020年だけでなく、2021年も見据えた戦いも各チームで始まっており、ルノーに加わったフライがどのような働きをし、チームの復活にどれだけの効果をもたらすことができるのか注目したいところだ。
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