TRS 2020 Rd. 2 Teretonga Race 2 -フォーミュラカー初挑戦のデナーが優勝!

 昨日に引き続きテレトンガは快晴で路面温度は35度となった。スターティンググリッドは昨日のRace 1の8位からのリバースグリッドとなり、ポールポジションはエミリエン・デナーになった。2位にはリリム・ゼンデリ、3位にはリアム・ローソンが付いた。角田裕毅は11位から、ジャクソン・ウォールズがピットレーンスタートとなった。

 スタートはデナーがクリーンなスタートを決めてターン1を抜けた。イド・コーエンがローソンの前に立ち3位に上がった。しかし後方でヘニング・エンクヴィストがコースオフし昨日と同様に1周目からSCが導入された。

 残り14周のところからレースは再開し、各車混乱なくリスタートを決めた。角田もスタートでの混乱をうまく潜り抜け8位まで上げた。残り7周のところでは、ターン1でRace 1のウィナーであるカイオ・コレットを豪快にオーバーテイクし意地を見せた。

 残り6周になると、今度はローソンがコーエンをターン1で抜き、元のグリッドの位置にまで順位を取り戻した。ゼンデリもデナーに対して常に1秒差に捉える位置で伺っていたが、デナーもミスを侵さずトップの座を譲らない。逆にローソンがゼンデリよりもペースを持っており、ギャップも0.2秒で常にプレッシャーを掛けていた。これがデナーのレースを少し楽にさせ、ゼンデリからの強いプレッシャーを和らげることになった。

 その状況も後押ししデナーは最後までトップを譲らず、TRS初優勝を飾った。2位にはゼンデリ、3位はローソンになった。角田もグリッドから4つ順位を上げ、7位で終えた。一方、コレットはRace 2ではパフォーマンスを見せることができず、8位に留まった。

 デナーはレース後、「先週はトップ10が目標だったのに、今日は勝てて正直驚いているよ。この優勝はカートから上がってきてフォーミュラで初めての優勝だし嬉しいよ」とフォーミュラでの初優勝を噛みしめるように語った。

 デナーは昨年までフランスでカートで腕を磨き、今年のTRSからフォーミュラカーでのレース活動を初めた19歳だ。まだWikipediaにも情報が無いような無名のドライバーだが、今日のレースは彼の価値を一気に高める優勝だ。後ろにゼンデリ、ローソンというFIA F3に参戦する名だたるドライバーを堂々と抑えての優勝は彼にとって大きな自信に繋がるはずだ。

 今日のレース後のインタビューを聞いていても、「トップ10が目標」と自ら言うほど少し控えめな印象はあるが、今日のレースを見ていると「そこまで控えめにならなくてもいいのでは」と思ってしまうほどの内容だった。特に今回のレースでは後ろを常に1秒前後のギャップで従えていたので、決して余裕があるとは言えなかったはずだ。そのプレッシャーが掛かる中でも一度も目立ったミスをせず、トップを守りきったのは今後のステップアップのために重要な経験になっただろう。今後もこのような新顔が見えることを楽しみにしながら今後のレースを待ちたいと思う。

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