12月23日日本時間の18時前、突如この速報ニュースが流れてきた。

フェラーリがシャルル・ルクレールとの 契約を 2024年まで延長したニュースだ。これによりルクレールはフェラーリに加入した今年から数えると少なくとも6年もの間フェラーリドライバーとして在籍することが決まった。
まずこの契約に至る要因となったルクレールの今年の成績を振り返ってみよう。今年のルクレールの成績の中で最も輝かしいのは、ポールポジション回数が最多の7回で2004年のミハエル・シューマッハ以来の快挙を成し遂げたことだ。セバスチャン・フェッテルとの予選対決を見ても12対9と上回り、誰もがルクレールの活躍に納得できる成績を残した。(予選データは以下を参照していただきたい)
レース内容を見ても、優勝した2レースだけに限らず、バーレーンやオーストリアではレースの半数以上を支配し、シンガポールでもチームの戦略によって優勝を明け渡すなど、度々先頭に立つシーンが映っていた。リードラップで見ると今年だけで246周で全体の19.6%、ルイス・ハミルトンの511周、40.5%に次いで2位を記録した。ドライバーズチャンピオンシップでは惜しくも4位とはなったものの、今年の印象的なシーンを作り出した一人と言えるだろう。
とはいえ、最近のF1では5年という長さでの契約は珍しく、長くても3年が通例だった。しかし今回フェラーリは5年の大規模契約を結んだ。
なぜこのような契約に至ったのか考えてみよう。ルクレールのキャリアを振り返ってみるとヒントがありそうだ。ルクレールは2016年からフェラーリの若手育成プログラム、Ferrari Driver Academy(FDA)に加入し、GP3、F2をそれぞれ1年でチャンピオンを獲得し、2018年から当時のザウバーでデビュー。そして今年からFDA出身ドライバーとしては初めてのフェラーリドライバーとなった。
このFDAは、フェラーリドライバーになることが確実視されていたジュール・ビアンキが加入した時から始まったプログラムである。ビアンキの弟分的存在であるルクレールがフェラーリドライバーになったことに対してフェラーリは重く受けているように見られる。それは今日のフェラーリのリリースで出されたマッティア・ビノットの言葉からも受け取れる。
シャルルは2016年から我々ファミリーの一員となったが、それ以上に彼がこのアカデミーで残した成績を誇りに思っている。彼の活躍によって、これからの長い時間を彼といることができてとてもうれしく思う。そして彼と一緒に跳ね馬の歴史に多くのページを書き重ねていきたい。
https://formula1.ferrari.com/en/leclerc-to-stay-with-scuderia-ferrari-mission-winnow-to-the-end-of-2024/
フェラーリにとって、FDA出身のドライバーでワールドチャンピオンを獲ることが一つの目標だろう。それがビアンキの意思を継ぐルクレールが果たすことによってその目標は更に意味深いものとなるはずだ。それを確実に成し遂げるために、5年という歳月を彼に与えることでフェラーリなりの姿勢を今回の発表によって見せたと思う。
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