2019年シーズンデータレビュー -予選結果を徹底分析!

 今回は、私が個人的に貯めてきたシーズンデータをご紹介。初回は予選のパフォーマンスを総括する。

 注目するのは各レースの予選順位をまとめた上の表だ。右側には平均順位、チームメイトの1on1結果、ポールポジション数、Q3進出回数、チーム平均を表している。

 まず注目したいのは各チームメイトの1on1だ。今年これに関して大きな話題となったのは最終戦まで争いが持ち越されたマクラーレンだ。最終的にはランド・ノリスが11対10でカルロス・サインツを下したが、ここで注目したいのは、前半戦でのリザルトだ。ノリスは開幕戦でサインツを上回り、カナダからイギリスまでは4戦連続でQ3に入った。サインツ相手にこれだけの成績を残したのは、今年の3人のルーキーの中で予選パフォーマンスとしては最も印象的なドライバーだったと言えるだろう。

 これに対してサインツもイタリアからアメリカまで6戦連続でQ3に入り対抗したが、ノリスもシンガポール以降は毎回Q3に進出して一歩も引かないレベルの高い戦いを見せていた。最終的には両ドライバーとも14回Q3に進出し、チーム平均としても10位を切る結果となり、コンストラクター4位獲得の大きな原動力になった。来シーズンも同じコンビで戦うマクラーレンだが、クルマとドライバーのパフォーマンスが良くマッチして結果に現れている。マクラーレンの復活を予感させるような結果になり、さらに期待がかかる。

 さて今年最多のPP回数を記録したのはシャルル・ルクレールだが、チームとしてはメルセデスが10回とフェラーリに2回差を付ける結果となった。メルセデスは今シーズン、予選よりも決勝重視のパフォーマンスに注力していたように見られる。特にハミルトンのPP回数がこれまでよりも少ない5回に留まったことで、そのイメージを強くさせた。しかし予選を決して捨てていたわけではなかったことがこのデータからも分かる。それはQ3進出回数が両ドライバーともに21を記録し、平均順位もフェラーリより1.6ポイント上回っていたことから伺える。レースでも信頼性は抜群のメルセデスであったが、予選であってもその安定感は揺らぐことがなかった。

 近年のF1はコース上でのオーバーテイクも難しいことが多く、トラックポジションを重視した戦い方が中心になっている。レースでの戦略が生かされるのもこうした予選の結果があってこそだ。予選だけを見れば、フェラーリやレッドブルも対等したように見えるが、実際こうしたデータを見るとまだ完全にメルセデスに追いついていないことが伺える。

 そして個人的に意外な結果となったのは、レーシングポイントだ。昨年まではメルセデスPUの恩恵もあってか、特にシーズン後半ではQ3に度々進出するシーンが見られていたが、今年は年間を通してその強さを見せることができなかった。特にランス・ストロールのQ3進出が1回というのは、物足りなさを感じる。これまでは予選順位を活かして、レースでも上位に残る展開を作ることができていたが、今年はその前提を作り出すことがあまりできなかったため、ベスト・オブ・レストの戦いに加わるチャンスも少なかったと考えられる。ぜひ来年は今年の反省を活かして奮起してもらいたい。

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